レンケーズ
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2026年7月28日、政府は総理官邸で犯罪対策閣僚会議を開き、ストーカー加害者にGPS(衛星測位システム)端末を装着させ、被害者に接近した際に通知する制度の検討を盛り込んだ緊急対策をまとめました。海外ではすでに性犯罪者らを対象にGPS装着を義務化している国があり、日本でも端末の小型化などの技術的課題や、ストーカー規制法の改正を視野に議論が始まっています(出典:CBCニュース「ストーカーにGPS装着を検討。実施に横たわるさまざまな課題」https://hicbc.com/magazine/article/?id=radichubu-64458)。
この検討の背景には、今年3月に東京・池袋のショッピング施設内で起きた痛ましい事件があります。報道によれば、被害女性の元交際相手の男は、2025年末にストーカー規制法違反の疑いで逮捕・略式起訴された後に釈放されており、接近禁止命令が出されていたにもかかわらず、女性を刺殺するという結果になりました。逮捕歴や禁止命令があっても被害を防げなかったという事実が、今回の緊急対策の直接のきっかけになったとされています。
この問題について、有識者は「一番守られるべきは被害者の生命、身体」と指摘する一方、GPS装着には二重処罰にあたるのではという法律論や、加害者のプライバシー・移動の自由との兼ね合いなど、実現までに乗り越えるべき課題が複数あると解説しています。
私は千葉県警察で刑事として勤務した約17年の中で、ストーカー・DV被害者支援にも携わりました。ストーカー加害者の多くは、逮捕されても、禁止命令が出されても、それだけで執着心そのものが消えるわけではありません。刑事課長時代にも、他署管内で発生したストーカー殺人事件を目の当たりにし、「あのとき加害者を検挙できていれば」という悔しさを何度も味わいました。これが、私が退職後に民間でストーカー・DV対策に取り組もうと決めた理由の一つです。
GPSによる加害者位置情報の通知制度は、実現すれば被害者の安心材料の一つにはなるでしょう。しかし、法改正や運用ルールの整備には相応の時間がかかりますし、装着対象者の範囲、罰則、警察との情報共有のあり方など、詰めるべき論点は山積みです。制度が整うまでの「空白期間」こそ、被害者にとって最も危険な時間になりかねないと、現場を知る立場としては感じています。
制度の整備を待つ間も、個人でできる備えはあります。
まず、しつこい連絡や待ち伏せ、尾行など、ストーカー行為にあたる可能性のある事実は、日時・場所・内容を記録し、着信履歴やメッセージのスクリーンショットとあわせて証拠として残しておくことが重要です。証拠が明確であるほど、警察への相談や禁止命令の申立てがスムーズに進みます。
次に、身の危険を感じた時点で、一人で我慢せず、最寄りの警察署の生活安全課やストーカー相談窓口に早めに相談することです。「これくらいで相談していいのか」とためらう方が多いのですが、エスカレートしてからでは対応の選択肢が狭まってしまいます。
また、GPS発信機や紛失防止タグが無断で自分の持ち物や車に取り付けられていないか、定期的に確認することも有効です。加害者による位置情報の悪用は、ストーカー被害の中でも見落とされやすいポイントの一つです。
もし今、あなたの家族や友人が「元交際相手からしつこく連絡が来る」「誰かにつけられている気がする」と打ち明けてきたら、あなたはどう対応するでしょうか。「気のせいかもしれない」「大げさにしたくない」と、様子を見るよう勧めてしまう人は少なくありません。しかし、ストーカー事案は、本人が異変に気づいてから相談するまでの初期対応の速さが、その後の被害の大きさを左右します。
一人で判断を抱え込むと、証拠集めのタイミングを逃したり、相談すべき窓口を誤ったりして、かえって選択肢が狭まってしまうことがあります。警察への相談と並行して、民間の専門家に状況を整理してもらうことで、GPS発見調査や見守り、緊急時の身辺警護など、公的機関だけでは対応しきれない部分を補うことができます。
ストーカー加害者へのGPS装着制度は、被害者を守るための前向きな一歩ですが、実現にはまだ時間がかかります。制度が整うのを待つのではなく、今できる備えを一つずつ積み重ねることが、被害を未然に防ぐ最も確実な方法です。
「自分は大丈夫」「気のせいかもしれない」と感じている段階でも構いません。不安を感じたら、まずは状況を専門家に話してみてください。株式会社RenK'zでは、元刑事の実務経験を踏まえたストーカー対策・GPS発見調査・危機管理のご相談を承っています。

千葉県警察官時代、捜査一課課長補佐、所轄刑事課長を歴任。在職中、ストーカー殺人事件に携わり被害者保護の重要性を強く感じ、ストーカー・DV被害者を一人でも多く救いたい想いから2018年に株式会社RenK’zを設立。被害者を守る身辺警護、各種調査、とりわけストーカーの手口である盗聴、盗撮、GPSの発見調査に重きを置いている。