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GPSで「見てるよ」と伝えてくるストーカーの手口とは?元刑事が解説する見分け方と対処法

2026.09.16
GPS

「車にGPS機器を取り付けられ、『見たよ』というメッセージが届いた」――2026年に入ってからも、こうした手口によるストーカー事件の摘発が各地で続いている。香川県警は、交際相手だった女性の車にGPS装置を取り付け、位置情報をもとに行動を把握したうえで「見たよ」とメッセージを送ったとして、ストーカー行為等の規制等に関する法律違反の疑いで会社員の男を逮捕したと報じられている(参照元:Yahoo!ニュース/KSB瀬戸内海放送、なお加害者とされる人物は起訴前の段階であり、今後の捜査・裁判で事実関係が確定する立場にある)。追いかけ回すのではなく、"知っていることをほのめかす"ことで恐怖心を植え付けるこのタイプの嫌がらせは、GPS機器の入手が容易になった今、決して珍しいものではなくなっている。

なぜ「見ているぞ」型のストーカーは繰り返されるのか

私は警察官時代、位置情報や行動パターンを執拗に把握しようとするストーカー事案の相談を数多く受けてきた。現場で強く感じたのは、被害者が「証拠がない」「気のせいかもしれない」と一人で抱え込んでしまい、相談のタイミングが遅れるケースが少なくなかったということだ。GPS機器は物理的に見つからない限り、被害者自身が「監視されている」という感覚を言葉で説明しても、周囲や捜査機関に伝わりにくいという特有の難しさがある。この"見えない証拠"の壁こそが、ストーカー事案が深刻化してから発覚する要因の一つだと、現場を歩くたびに痛感してきた。

ストーカー規制法は2021年の改正でGPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得やその告知行為が規制対象に加えられ、法制度は着実に前進している。それでも、警察が動けるのは行為が「規制法の要件」に当てはまると判断されてからであり、被害者が違和感を覚えてから相談・立件までには時間差が生じやすいのが実情だ。だからこそ、法律や捜査だけに頼るのではなく、民間の立場で早期に異変に気づき、証拠を確保する体制を補っていく必要があると強く感じている。

「ほのめかし型ストーカー」とは何か

ほのめかし型ストーカーとは、GPS機器などで得た位置情報や行動履歴をもとに、「知っている」「見ている」と相手に伝えることで恐怖心や支配感を与えようとするストーカー行為の一類型のことです。直接付きまとうよりも発覚しにくく、被害者に「常に見られているかもしれない」という心理的圧迫を長期間与え続ける点が特徴で、身体的な接触がないぶん軽視されがちだが、精神的な負担は決して小さくない。

気づくためのサイン

  • 車の下回りやバンパー裏、荷室など、心当たりのない位置に小型の機器やケーブルが見える
  • 誰にも話していない外出先や立ち寄り先を、相手が知っているような発言をする
  • SNSやメッセージで、行動を先回りしたようなタイミングの連絡が届く
  • 特定の相手と別れた・関係を絶った後から、こうした違和感が始まった

気づいたときにすべきこと・避けるべきこと

機器らしきものを見つけても、自分で慌てて取り外し、処分してしまうのは避けたい。取り外してしまうと、後の相談や被害届の際に重要な証拠を失うことになりかねない。まずは日時・場所・状況を記録し、写真を撮ったうえで、警察の相談窓口や専門の調査業者に確認を依頼するのが望ましい。GPS発信機は年々小型化・巧妙化しており、素人目には発見が難しいケースも増えているため、専門的な機材による調査が有効な場面も多い。メッセージや着信についても、削除せずにスクリーンショットなどで残しておくことが、後の対応の選択肢を広げる。

もし自分や身近な人に起きたらと考えてみてほしい

ここまで読んで、「もし自分や家族、あるいは自分の会社の従業員に同じことが起きたら、どう動くか」を一度想像してみてほしい。多くの人は「証拠が固まってから」「もう少し様子を見てから」と考えがちだが、ほのめかし型の嫌がらせは相手の反応をうかがいながらエスカレートしていく傾向があるため、様子見の期間が長引くほど選択肢が狭まっていくことも少なくない。一人で抱え込み、判断のタイミングを逃してしまうよりも、早い段階で警察や専門家に相談したほうが、取れる対応の幅は確実に広がる。

よくある質問

Q1. 車にGPS機器を勝手に取り付けられたら、それだけで罪になりますか?

取り付け行為や、それによって得た位置情報をもとに相手の行動を把握・告知する行為は、ストーカー規制法等の対象となり得ます。ただし個別の状況によって該当性の判断は異なるため、実際に該当するかどうかは警察や弁護士への相談が必要です。

Q2. 自分でGPS発信機を車から見つけることはできますか?

目視やアプリで発見できる場合もありますが、機器が小型化・巧妙化しているため見落とすリスクも高く、確実性を求める場合は専門の調査業者に依頼するほうが安全です。

Q3. 「見ているよ」というメッセージが届いただけでも警察に相談できますか?

1回のメッセージだけで法的措置に直結するとは限りませんが、記録を残したうえで早めに警察の相談窓口に相談することは可能です。継続性や悪質性の判断材料として、記録の積み重ねが重要になります。

Q4. 警察に相談しても、動いてもらえないことはありますか?

証拠や状況の伝わり方によって対応にばらつきが出ることはあります。相談内容が伝わりにくいと感じた場合は、記録を整理したうえで再度相談する、または専門機関に間に入ってもらうという方法もあります。

Q5. GPS機器の悪用が不安な場合、まず何から始めればよいですか?

不審な言動や心当たりのない情報の一致に気づいた時点で、車や持ち物を不用意に触らず、状況を記録することから始めてください。そのうえで警察相談窓口や専門の調査会社に状況を伝え、次の対応を一緒に検討してもらうのが安全です。

まとめ

2026年9月時点で、ストーカー規制法はGPS機器の悪用にも対応できるよう改正が重ねられてきているが、制度が整っても「気づき」と「証拠の確保」が遅れれば、被害は深刻化しやすい。GPSによる"ほのめかし型"の嫌がらせは、身体的な接触がない分、周囲に伝わりにくく、被害者が孤立しやすいという特徴がある。少しでも違和感を覚えたら、一人で判断を抱え込まず、早い段階で警察や専門の相談窓口に状況を共有してほしい。弊社でも、GPS発信機の発見調査やストーカー対策に関するご相談を受け付けている。不安な状態を長引かせないためにも、まずは状況を整理し、専門家に話してみることをお勧めしたい。

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